
特殊部隊・・・とてもワクワクする言葉である。この単語だけで「強い」「格好良い」存在である事が約束されていると言っても過言では無い。
世間に公にされているものから、フィクションを中心に多く登場するし確かにあるハズなものの、政府が存在を公式には認めていない様な
「影の部隊」まで様々ある。ではゲーム「ゴーストリコン ワイルドランズ」に登場する特殊部隊「ゴースト」とはいったい何者なのだろうか?
今回はこの特殊部隊「GHOST(ゴースト)」について考察していきます。先に結論を申し上げますと、
自分がしっくりくる解釈をして楽しむのが良いです。
公式設定が凄く明確に無い以上、そうなりますからね・・・エヴァンゲリオンなんかも謎が多く各々の解釈を楽しむ部分がありますが、そんな感じです。そういえば昔はエヴァの考察本が沢山出てましたね。
近所のブックマーケット(ブックオフではない)で買っていたのも懐かしい思い出です。
・・・脱線しましたね。考察とか遥か昔からやってる事は変わらないなと痛感した所で本題に戻ります。
ゴーストはどこの所属なのか?
公式ではどう設定されているか
どんな部隊もどこかの組織に所属しています。例えば第82空挺師団ならアメリカ陸軍の第18空挺軍団隷下の部隊ですし、映画でも有名なネイビー・シールズならアメリカ海軍の特殊部隊です。じゃあ、ゴーストは?と、プレイする上で知りたくなります。
自分がどこの所属か分からないまま、主人公には成り切れませんよね?ゴーストリコン ワイルドランズの公式サイトでは
特殊部隊「ゴースト」。彼らは単なる軍の一部隊ではない。
ゴーストリコン ワイルドランズ公式サイトより引用
ゴーストは4人の精鋭からなるチームで、 敵戦線後方における隠密行動を主な任務とする。彼らは命令に沿って動くのではなく、自らの判断により、困難な任務の解決をめざすのだ。伝説的な存在でありながら、その存在が表に出ることはない——。
と書かれています。うーん、ちょっとぼんやりしてますね。ゲーム内の話からすると、別の記事にも書いた様にキングスレイヤー作戦はCIA、DEA、JSOCの合同任務の様です。三つの組織の名が挙がりますが、それぞれ
CIA=ゲーム中指示を飛ばしてくれるカレンが所属
DEA=ゲーム開始前の段階でカルテルに殺害された捜査官が所属。
で、
JSOC(統合特殊作戦コマンド)=ゴーストが所属となります。

なのでゴーストはデルタフォースやデヴグルと同じ組織に属してます。ノマドたちゴーストのチームメンバーが元いた部隊がデルタフォース(陸軍)、レンジャー(陸軍)、デヴグル(海軍)とバラバラな上に任務内容もかなり気密性が高そうなので、所属しているのはきっとデルタ並の極秘部隊か!?と思っていたのですが当たりの様です!しかし僕としては、それですんなりとゲームに戻れない、引っ掛かる部分があったのです。
過去の作品から考察
ゴーストリコン ワイルドランズの時代設定は2019年なのですが、もっと過去を描いているゴーストリコンシリーズや他のトムクランシー作品での扱いはどうでしょう。1作目ゴーストリコンでの説明によると
グリーンベレーのよりすぐりで構成されたGhostのニックネームを持つフォートブラッグ基地所属の米国特殊部隊グループ5・第1歩兵部隊・D中隊
Wikipedia ゴーストリコンのページより引用
となっており、1作目の設定だとグリーンベレーの一部隊だった様ですね。よく5th SFGとか書かれる部隊ですよね。ゲーム内だとこの所属だったのが2008年。この時点では極秘部隊といった雰囲気はまだ無かったんですね。
「精鋭中の精鋭」
な雰囲気です。
ただ、ゴーストの配備されている部隊が徐々に移っているのか設定が割と適当なのかは分かりませんが、作品によって微妙に違うようです。
トム・クランシーシリーズのH.A.W.Xというフライトシューティングゲームにもゴーストが登場しますが、この作品の登場人物紹介では
スコット・ミッチェル大尉
Wikipedia トムクランシーズ H.A.W.X.のページより引用
陸軍第7特殊部隊(ゴースト部隊)の隊長。本作と同じトム・クランシー監修のゲーム「ゴーストリコンシリーズ」にも登場する。
とあります。これも恐らくグリーンベレーの事ですよね。5thの次は7thになったと。「陸軍第7特殊部隊=ゴースト部隊」みたいな書かれ方ですが、初期の設定と同じく7th SFG内の部隊だと思います。単純に5th SFGから7th SFG所属に変わったという事でしょうか。
部隊によって担当地域が異なりますが関係あるのでしょうかね。 H.A.W.X.の舞台設定は2012年ですので、この頃まではまだグリーンベレー所属という事になります。
更に、「ゴーストリコン アドバンスウォーファイター2」でも同じ第7特殊部隊所属の様です(2013年が舞台)。

極秘部隊だと思っていたので、初めからワイルドランズの設定の様にJSOC隷下とかだと思っていたのですが途中で変わった様ですね。あるいはもっと架空の部隊の隷下にあると思っていたのですがそうでは無かった様ですね。
架空の組織隷下部隊に異動!?
・・・・と、思っていたのですが、「エンド ウォー」というゲームの紹介を読んで驚きました。
このゲームはトム・クランシーシリーズには珍しいリアルタイムストラテジーというジャンルでして、凄くざっくり言うとスーパーロボット大戦みたいなゲームです。2020年が舞台で第三次世界大戦がテーマのゲームでアメリカ以外の勢力として
ヨーロッパ連邦:エンフォーサーズ軍団
ロシア連邦:スペツナズ親衛旅団
という、なんだかとても強そうな勢力が登場します。それに対抗するアメリカは
アメリカ合衆国:統合打撃軍 (United States' Joint Strike Force)
Wikipedia エンド ウォーのページより引用
現在と変わらず、アメリカ軍ジョイント・ストライク・フォースは最新鋭のハイテク装備を保有する世界最強の軍隊である。スコット・ミッチェル大将率いる特殊部隊ゴーストや精密誘導兵器、ステルス兵器などを保有し、海兵隊遠征隊や無人航空機など展開力の高いユニットを主力とする。
統合打撃軍・・・ありそうで無い組織が出てきます。海兵隊も所属していてオールスターな感じですね。内容的にはSOCOM(アメリカ特殊作戦軍)くらいの括りか、更にその中にあるJSOC的な存在なのでしょう。

ちなみに、ワイルドランズの前作、ゴーストリコン フューチャーソルジャーは2024年が舞台なので仮に繋がってると第三次大戦後、ワイルドランズは大戦前という位置づけになりますが
多分繋がってはいないです。
ゴーストリコン ワイルドランズでは他のトム・クランシーシリーズのキャラが登場するミッションが用意されていますが、レインボーシックスシージだったりスプリンターセル、後はゴーストリコン過去作の登場人物くらいです。折角ならこの設定を活かせばよかったのに・・・とも思いますが、大半のプレイヤーは
そんな設定の話はいい。誰を殺ればいいのかを教えてくれ。なっ?
って感じだろう。多分。とか思って辞めたのかもしれませんね。
集めた情報から考えてみる
似たものを探す
改めて、公式で書かれている事と実際にゲーム内での任務内容からするとゴースト隊員たちは
・麻薬カルテルが雇った傭兵等を装って(米軍兵士と分からない様に)行動している
・情報を持っているであろう人物の誘拐、尋問を行っている

・米軍内の部隊であるISA(統合情報支援部隊)に情報解析を頼んだり情報を貰ったりしている会話がある

といった特徴があります。おそらくゴーストはJSOC直轄の部隊と考えます。このゴーストと同じ様な任務内容の部隊といえばデルタやデヴグルですが、彼らの様な特殊任務部隊(SMU)がJSOCによって運用されています。
※SMUとは、デルタフォースや海軍特殊戦開発グループのように活動内容や存在そのものが黙秘される部隊の総称。対して、グリーンベレー(アメリカ陸軍特殊部隊群)やNavy SEALsなど、場合によってはメディアにも露出するオープンな部隊は“特殊作戦部隊(SOF)”と呼ばれる。SMUの活動の大部分は“公には否認されるべき地域”で行われ、それには対テロ作戦、襲撃行動、偵察活動、秘密諜報活動などが含まれる。
Wikipedia 統合特殊作戦コマンドのページより引用
同じ様な作戦を行っている=同じ傘下にいるという考え方です。先ほど書いた様にゴーストへ情報を与えてくれる部隊としてISA(統合情報支援部隊=アクティヴィティ)がありますが、彼らもある時からJSOC直轄となったのです。2002年にラムズフェルド国防長官によって再配置された様です。
ラムズフェルドはアクティヴィティをJSOCの直轄として、デルタとDevGruが任務に必要とする、“戦闘行動を可能にする情報”を提供する作業に専念できるようにした。
集英社文庫 「キラー・エリート 極秘諜報部隊ISA」311ページより抜粋
作戦を迅速に行える環境にしていると考えると、ISAと同じくゴーストもJSOC直轄の部隊と考えた方が自然ですし、そうした位置にある部隊なら、更に同じ管轄のデルタやデヴグルの隊員がゴーストメンバーになるのも頷けます。
まとめ
結局のところ、ゲーム冒頭で出てくる情報をシンプルに受け入れるだけでも問題なかったりしますね。それでもシリーズの別作品や過去作品との違いが頭をよぎるとモヤっとするもの。改めて冒頭で述べた様に僕なりに解釈してまとめると
・以前はグリーンベレー内の部隊だった事がある。
・ワイルドランズの時点ではJSOC直轄の部隊。キングスレイヤー作戦に関わるJSOCにはISAも含まれる。
・米政府が存在を公に認めていない他の部隊と同じ様な任務内容をこなす。

以上となります。カレンからは「アメリカが関与している痕跡を残さないで」とか言われますが、
派手に撃ち合いしたりプレイヤーの服装の選び方によってはモロアメリカ軍な格好で堂々と歩けたりもするので痕跡どころか爪痕残しまくりで、結構早い段階でカルテルの方々もアメリカが送り込んできた殺し屋が~~とかなってます。
ただ、アメリカ人だと気づいた悪人たちは皆倒されるか捕まるから問題無し!って事ですね。細かい事は気にしなくて大丈夫!!好きに進めていきましょう!というUBIソフトのメッセージを感じます。
これらを踏まえて、私服系装備や迷彩柄を使わないスタイリングにして「民間軍事会社のコントラクターがどこかに雇われているのを装いながらカルテルを潰していく」って遊び方が個人的にはオススメです。海外の地に潜伏している感じが出ます。
そしてここぞという場面ではフル装備で戦うといった感じに使い分けるとより楽しいです。

こんな感じに銃や外見のカスタムだけでなく、設定をどこまで理解してるかどうかも関係なく楽しめるって所まで込みで自由度の高いゲームだと感じます!
ゴーストリコン ブレイクポイントという新作も出ますが、きっとこれもまた色々な事柄が細かく設定されていたり
意外と適当だったり絶妙なバランスで出来ているに違いありません。今から楽しみですね。